日常的なコミュニケーションツールとして普及しているLINEですが、広告出稿の媒体としても活用することが可能です。LINEは、他のSNSに比べて圧倒的に利用者の母数が多く広告の波及効果も非常に高くなっているため、出稿先として知識をもっておきたい媒体の一つだと言えます。今回は、LINE広告の概要や配信ターゲットの設定について解説したいと思います。
LINE広告の概要
LINEの概要
LINEとは、月間アクティブユーザー数(以下、MAU)が8,600万人(21年上半期)を超える国内最大級のSNSです。基本的にスマートフォンアプリを通して使用されますが、パソコンからもログインが可能です。
使途としてはチャットや通話利用がメインですが、ゲームや音楽、漫画などのサービスの提供もあり、さまざまな楽しみ方が可能です。
他のSNSとの1番の違いは非常にアクティブ率が高いという点で、ユーザー層の年代も幅広くなっています。
LINEについてのその他の概要は別の記事に詳しくまとめられていますので、もう少し詳しく知りたいという場合は以下の記事をご覧ください。
>> すでに国民の2/3が利用!定番のスマホアプリLINEとは? <<
LINE広告の概要
LINE広告はLINEを使用しているユーザーに向けて広告を配信できるサービスです。
前述の通り、国内のMAU8,600万人以上という圧倒的なユーザー数の多さを背景に、他のSNSではリーチできない顧客層にもアプローチできるポテンシャルを持っています。
配信先のバリエーションが多いというのも特徴の一つで、最も利用されるトーク画面やタイムラインへの配信が基本となるものの、ニュース配信やマンガ配信などの付随サービスの画面も含め多面的に配信されます。
さらに、ビジネス用のアカウントであるLINE公式アカウントとも連携させることができ、公式アカウントに呼び込むための友だち追加広告配信など、独自の施策を打つことが可能です。
※LINE公式アカウントについても別の記事でまとめています。 詳しく知りたい場合は以下の記事をご覧ください。
>> 店舗集客に効果!LINE公式アカウント(旧・LINE@)をご存知ですか!? <<
LINE広告に掲載できない業種、商品
LINE広告は、一般のweb上の広告に比べると審査が厳しいと言われています。他のSNSで問題なく掲載できていた商品でもLINEの審査は通過しないこともありますので、注意が必要です。なお、以下の業種、業態は掲載不可とされています。
宗教関連/ギャンブル関連、パチンコ等(公営競技・公営くじは除く)/アダルト関連/出会い系、マッチングサイト等(一部を除く)/連鎖販売取引/探偵業/たばこ、電子タバコ/武器全般、毒物劇物/政党/公益法人、NPO/NGO、社団法人(一部を除く)/生体販売/整骨院、接骨院、鍼灸院等/未承認医薬品⋅医療機器等消費者金融などの貸金業、質屋(一部を除く)/ネット関連ビジネス(情報商材、自己啓発セミナー等)/募金、寄付、クラウドファンディング等の資金調達(一部を除く)/その他LINE側で不適合と判断された業種⋅業態、商品⋅サービス
LINE広告のターゲティング
LINEのユーザー属性
LINEの作成しているLINE Business Guideによると、2021年上半期におけるLINEのユーザー属性の分布は以下の通りです。
LINE Business Guideより引用
性別:男性47%、女性53%
職業:会社員49.9%、主婦・パート・アルバイト30.6%、学生10.5%
年齢:10代/全体の88.7%が使用、20代/全体の98.1%が使用、30代/全体の93.4%が使用、40代/全体の87.7%が使用、50代/全体の82.6%が使用、60代/全体の52.8%が使用
サービス開始直後は女性、若年層ユーザーが多い印象だったLINEですが、現在は男女の利用率はほぼ同じで、年齢に関しても10代〜50代までの8割以上が使用していており、高齢者以外の全世代に普及していると言えます。
LINE広告のターゲティング
LINE広告のターゲティングは、主に3種類あります。
- (1)LINEデモグラフィックデータ配信
- (2)オーディエンス配信
- (3)類似配信
それぞれどのようなターゲティング方法なのか確認してみましょう。
(1)LINEデモグラフィックデータ配信
LINEデモグラフィックデータ配信は、LINE以外の媒体においてもよく用いられる手法で、ユーザーの属性に基づいたターゲティングです。年齢、性別、地域のセグメントや18種類のインタレストカテゴリより選択できる興味・関心のセグメント、配偶者や子供の有無、携帯キャリア・テレビの視聴頻度などの詳細設定のセグメントなど細かく設定できます。これらのデータはLINEの登録データを元にするのはもちろんのこと、みなし属性(LINEネットワーク内での行動履歴・スタンプの購入履歴・ライン公式アカウントの友だち登録の履歴などによって割り振られた属性)によっても判別するようになっています。
(2)オーディエンス配信
オーディエンス配信は、広告主が決めた特定条件下のオーディエンスに対して広告配信する方法です。例えば、特定のページを訪問した履歴のあるユーザーに限定して配信するなどがオーディエンス配信にあたります。なお、LINEタグを設置すれば、ユーザーの訪問ページの階層に応じて、配信クリエイティブを変更することもできます。
他にも会員登録などで取得した電話番号やメールアドレスを照合に使って、該当するユーザーにアプローチして広告配信をすることもできます。
(3)類似配信
類似配信は、上記のオーディエンス配信で利用するオーディエンスに類似しているユーザーも対象にして広告配信をする方法です。どれくらい似ているかの度合いも、1%〜15%の濃度という基準で選択することができます。1%が最も似ているユーザーで数字が上がるごとに類似度が下がっていきます。類似濃度を濃くすれば、オーディエンスは小さくなりますが、ユーザーの獲得効率が良くなります。逆に、類似濃度を薄くすれば、ユーザーの獲得効率は下がる反面、オーディエンスを幅広くすることができます。
この濃度は自動選択に設定することも可能なため、類似濃度について迷いがある場合は自動で利用すると良いでしょう。
まとめ
- LINE広告では、MAU8,600万人以上という圧倒的なLINEユーザー数の多さから、他のSNSではリーチできないユーザー層に広告配信が可能です。
- LINE広告は配信先が多様であること、ビジネスアカウントであるLINE公式アカウントと連携した配信ができるという特徴があります。
- LINE広告は、一般のweb上の広告に比べると審査が厳しいため、他の媒体で広告掲載できている商品でも注意が必要です。
- 2021年上半期における調査では、LINEユーザーは男女比がほぼ1:1で、10代〜50代では全人口の80%にものぼるという結果になりました。
- LINE広告の配信ターゲティングにはLINEデモグラフィックデータ配信、オーディエンス配信、類似配信の3つの方法があります。