ここ数年でもっとも耳にするようになった言葉の一つにYouTuber(ユーチューバー)という言葉があるかと思います。文字通り、YouTubeというSNSメディアを介してコンテンツの発信をしていく人たちのことです。
人気のあるYouTuberは、4大マスメディアで最も発信力のあるテレビ業界にも進出したりと社会的に注目を集めています。一方、テレビで以前から活躍していたタレント層もYouTubeチャンネルを立ち上げて、独自にコンテンツ発信をするようになりました。
YouTuberという呼称とともに情報のプラットフォームとして大きく注目されるようになったYouTubeですが、どのようなSNSメディアなのでしょうか。この記事で改めて振り返っていけたらと思います。
YouTubeとは?ユーザーの特徴は?
YouTubeは、2020年現在の利用者数は全世界で20億人以上、1日の総視聴時間は10億時間以上と、世界最大の動画投稿サイトです。
動画投稿専門のSNSであるため、他のSNSとは異なり長時間の動画再生に向いた設計になっています。PC・タブレット・スマホどの端末でも不便なく高画質で動画を見ることができるので、大きな画面でじっくり鑑賞するもよし、スマホでちょっとした空き時間に見るもよしと、いろいろな動画視聴の楽しみ方が可能です。
d-TVや、Hulu、U-NEXT、Amazonプライム・ビデオ、Netflix等、様々な動画配信サイトがある中、YouTubeの魅力は、無料である点、コンテンツが豊富である点、ログインなしで気軽に視聴できる点にあります。
コンテンツは様々ですが、エンタメ、音楽、料理、ニュース、スポーツなどなど一般の視聴者にとって身近なものが多く、動画投稿者は様々な分野の有名人から一般の人までおり、年齢、性別、地域などの制限はありません。
多くの動画投稿者は、自分が好きなことや得意なことを発信しています。歌、演奏、ダンスなどのパフォーマンス動画や、料理をしたり食べたりするグルメ動画、ゲームの実況、ファッションやコスメなどを実際に使用して紹介する動画などがとても人気です。
YouTubeのユーザー特徴
2020年現在、YouTubeを利用しているユーザーは全世界では月間20億人ですが、日本国内でも月間6,200万人にのぼります。
Glossom株式会社が全国の10代から70代の男女1,442名に実施した調査によると、2020年のYouTube利用率は下記の通りです。
YouTube(無料)利用率
10代 77%
20代 69%
30代 50%
40代 45%
50代 41%
また株式会社テスティーが2020年9月4日、10代から20代の男女1,347名を対象に実施した「YouTubeに関する調査・2020年版」では、以下の結果になりました。
「YouTubeを利用している」と答えた人の割合
10代男性 94.1%
10代女性 95.6%
20代男性 86.4%
20代女性 89.8%
「YouTubeを毎日利用している」と答えた人の割合
10代男性 74.4%
10代女性 67.2%
20代男性 57.5%
20代女性 51.3%
以上の調査結果から、YouTubeは10代を筆頭に若い世代に非常に人気があることが分かります。
小学生が将来なりたい職業にYouTuberがランクインしていたことからも分かるように、
YouTuberは若い世代にとって、既存のメディアにはない魅力的なエンタメを発信してくれる媒体であることは間違いなさそうです。
YouTube有料版と無料版の差(2021年2月現在)
YouTubeには有料プランがあります。
有料プランはYouTubeプレミアムと言い、2018年11月14日から始まったサービスで、月額1,180円~利用できます。
有料プランに入ると、無料のYouTubeにはない以下の5つのメリットがあります。
広告なしで動画を視聴できる
無料でYouTube動画を視聴すると、動画の合間に広告が差し込まれることがあります。スキップ可能な広告でも、5秒間はスキップができず、5秒後にようやくスキップできるようになります。1つの動画にこのような広告が何度も差し込まれることがよくあり、YouTubeプレミアムに加入すればこのような煩わしさがなく快適に動画を視聴することができます。
動画をスマホにダウンロードしてオフライン再生できる
「YouTube動画を見すぎて、データの通信制限がかかってしまった…」という経験をしたことがある人も多いのではないのでしょうか。
YouTubeプレミアムではYouTube動画をダウンロードしてオフライン再生ができるので、通信制限を気にせず、電波の通じにくいところでも動画を楽しむことができます。
YouTubeアプリを閉じた時でも動画のバックグラウンド再生できる
YouTubeで音楽を聴きながら他のアプリを操作したい時、無料版だとYouTubeアプリを閉じると動画の再生は止まってしまいます。YouTubeプレミアムなら、YouTubeを閉じてもバックグラウンドで動画の再生が可能なので、音楽を流しながらSNSなどの他のアプリを操作したい時に最適な機能です。
YouTube Originalsの映画やシリーズを広告なしで視聴できる
YouTube Originalsとは、YouTubeが独自に配信する番組や映画、ライブイベントなどを配信するサービスです。
無料で視聴することもできますが、YouTube同様、広告付きの配信となります。YouTubeプレミアムに加入すると広告なしでYouTube Originalsの作品を視聴できるほか、YouTubeプレミアム会員限定の配信作品を見ることができるといった特典があります。
料金内でGoogle Play MusicやYouTube Music Premiumを利用できる
YouTube MusicプレミアムとGoogle Play Musicは、どちらも月額980円の音楽配信サービスです。
YouTube Musicプレミアムは、YouTubeの音楽配信サービスで、さまざまな楽曲やミュージックビデオ等を楽しめるほか、曲名がわからなくても歌詞や曲の特徴で検索できる機能があります。
Googleが提供する定額聴き放題音楽配信サービスGoogle Play Musicは、月額980円で3500万曲以上の楽曲が聴き放題かつ、ライブラリから最大5万曲をクラウドにアップロード可能な音楽配信サービスです。
YouTubeプレミアムに加入すると、YouTube MusicプレミアムとGoogle Play Musicの両方のサービスを月額料金内で利用することができます。
YouTubeの投稿
YouTubeの投稿とYouTuber
YouTubeの投稿は、アカウントを作り、禁止事項を守れば、誰でも行うことが可能です。
単発で投稿を行うことも可能ですが、あるテーマで日常的に投稿を繰り返し、テレビ番組のようにコンテンツを発信し続けるユーザーが現れてきました。
そういったユーザーをYouTuberと呼びます。
自身のYouTubeチャンネルのファンや閲覧数が一定数を超えると、動画の合間に広告を挟むことができるようになり、広告収入を得ることが可能になります。
人気次第では通常の会社員の年収を大きく超える収入を得ることができるため、職業としてYouTuberを選ぶ人、目指す人も多くなりました。
YouTuberは特に若年層に強い影響力を持ち、憧れの対象になっています。
企業が人気YouTuberに商品やサービスのPRを依頼するケースも多く、他のSNSと比べ長時間の動画再生が可能なので、商品やサービスの魅力や正確な情報を細かくユーザーに届けることができます。
実際に商品を利用している様子も紹介できるので、ユーザーの購買意欲を高めることができます。
禁止事項
ただし、運営元であるGoogleのポリシーに違反したコンテンツの投稿やコメントの投稿をすることは禁止されています。
禁止されているコンテンツは大きく分けて次の4つです。
(1)スパムと欺瞞行為
(2)デリケートなコンテンツ
(3)暴力的または危険なコンテンツ
(4)規制品
著しく品性に欠ける動画や犯罪につながる恐れのある動画は削除やペナルティ対象になります。
残念なことに、再生回数を稼ぐために、わざと迷惑行為を繰り返し、炎上によって注目を集めようとするYouTuberも存在し、社会問題としてニュースを賑わせてしまうこともあります。
まとめ
- YouTubeは動画という形式で他のSNSではない多彩なコンテンツを提供しており、10代や20代の若者にとても人気があるSNSです。
- 商品の詳しい説明やハウツーといった実用的な動画から、毎日の日課として短時間で気軽に見ることができるエンタメまで、充実した動画コンテンツが豊富です。
- 誰でも気軽に投稿できることも魅力の1つです。日常的に投稿を繰り返し、職業として成立させているユーザーも現れており、YouTuberと呼ばれています。