SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)やブログのビジネス活用が一般的になってきた昨今、執筆を専門としない方もブログ担当やSNS担当として文章を書く機会が増えてきました。
担当者として任命されたとしても「そもそも一体どうやって書いたらいいのかわからない」「書いて投稿してるけど反応がほとんどない」という状況に直面し、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
Webライティング・SNSライティングは通常の文章を書くスキルに加えて、Web独特の「書くためのコツ」のようなものがあります。今回は、その「コツ」をお伝えすることで、Webライティング・SNSライティングのスキル向上にお役に立てたらと思います。
Webライティング・見出しと文章構成法
見出しについて
Webライティングにおいて、まず一番に意識を向けなくてはならない部分がこの見出しの部分です。
雑誌や書籍などの紙媒体においても見出しは必要なものですが、Webの場合はその重要度が上がります。
大量の検索結果から自分の求めている内容のコンテンツかどうかを判断するために見出しは最もわかりやすい指標となります。
一番初めに読者の目に入る見出しの部分を整えて、何が書かれているページなのかを明確にしていきましょう。
文章を書き始めるときも見出しから構成するとまとまりやすくなりますし、骨子のはっきりしたコンテンツになります。まずは見出し、小見出しから作っていくようにしましょう。
文章構成法について
構成はどのような形に整えていけばよいのでしょうか。
もちろん読み手が理解しやすい体裁を意識する必要があります。
よく用いられる構成法が2種類ありますので、そちらを紹介をします。
SDS法
Summary(概要)、Detail(詳細説明)、Summary(要点のまとめ)の頭文字をとったSDS法という文章構成法ですが、ポイントは最初にSummary(概要)を記述するというところです。
コンテンツが無尽蔵に存在するWebでの情報収集において、読者は読んでいる情報が自分の知りたい情報であるかどうかを短時間で判断する傾向にあります。その判断時間は非常に短く、読み始めの最初の3秒間だと言われています。
もし最初の導入部分にどのような記事なのかがわかる記述がないとその時点で、読者はそのコンテンツに関心を失って、他のページへと離脱していってしまいます。そのため、文章のはじまりの部分でSummary(概要)を入れることが非常に重要になってきます。
その後は、内容の詳細について説明をして、再度、要点をまとめるという一般的な文章構成の流れになります。
PREP法
PREP法は、Point(結論)、Reason(理由)、Example(事例)、Point(結論)の頭文字をとった文章構成法ですが、こちらもSDS法と同じく初めに何を言いたいかという結論を伝えてしまいます。
結論を伝えた後に、なぜそうなのかという理由とそれを裏付けてくれる事例を提示していったあと、再度、結論を繰り返します。
理由と事例を間に挟み込むことで記事の説得力を強めて、読み手に対して結論に対する理解を深めていくことができる手法です。
どちらの文章構成法も短い時間で効率的に言いたいことを伝えることができる作りになっているため、Webライティングに適した文章術として用いられることが多くなっているということです。
SNSライティング・「共感」の重要性
前項では、Webライティングという視点で留意すべきことをお伝えしましたが、SNSライティングとなると更に重要な要素が発生します。
それは「共感」という要素です。
ユーザーからの「共感」を得るためにはいろいろな方法がありますが、コンテンツの内容を充実させること、写真や動画などでビジュアル部分を充実させること、文章の体裁を読みやすく整えることなど様々です。
そのなかでも特に効果的に「共感」の与える文章を発信するためのコツをいくつか挙げていきます。
「共感」を作り出すには
(1)共通性を盛り込む
「地元が一緒だった。」「同じスポーツの部活動をやっていた。」「好きな音楽のジャンルが同じだった。」
初めて出会った人でも上記のような事実がわかると急に打ち解けて仲良くなることができる。
そんな体験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
SNSの投稿でも同じ体験をすることができます。
想定する読者の興味や価値観と共通する話題を意識してライティングをすることで読者との間にぐっと親近感を作り出すことができるのです。
まずは「共通性」という点を主眼におくことが「共感」への第一歩になります。
(2)オリジナリティを出す
例えば、「旅行」を題材にした投稿で、ある観光地を取り上げるとします。
その観光地で検索すれば、人気ある見所スポットをまとめた記事はたくさん見つけられますし、同様のコンテンツでは「共感」を得るのは難しいでしょう。
そこで重要になってくるのが、オリジナリティという要素です。
例えば「ウォーキングしながら回る観光スポットならココ」とか「歴史めぐりをするコースならコチラ」など、そのような切り口で記事をまとめたり、オリジナリティを出す工夫をします。それにより他の記事と差別化をはかることができますし、その切り口に興味がある方からは強い「共感」を得ることができるはずです。
(3)一人の人をイメージして書く
(1)(2)にも共通する話ですが、SNS投稿は読み手がどういう人なのかを想定して、その人たちに向けて書くことが大切です。
年齢、性別、職業、趣味、居住地などを細かく設定しながら、人物像=「ペルソナ」を定めます。
ただし、それでも読み手が自分のために書かれた文章だというくらい「共感」してくれるとは限りません。
より深く人の気持ちに触れる投稿をするためには、不特定の誰かではなく、自分がよく知っている誰かに伝えるつもりで書くことが効果的です。
例えば「受験勉強のコツ」というテーマで書く場合、受験をひかえている自分の甥っ子にアドバイスするつもりで書くとか、「効率的なダイエット」というテーマだったら、これから痩せようとしている友達を思い浮かべて書くなど、明確に相手をイメージすることが重要です。
たとえ対象を限定しすぎても、SNSを見ている人の中にはその対象の人と同じ境遇の人が一定数いるはずです。
イメージしている対象が狭められている分、該当する人たちは「この文章は私のために書かれたものだ」と強い「共感」をもってくれるはずです。
その他、Webライティングで注意すべき点
Webライティングの場合は、Googleの検索エンジンからの読みやすさも意識する必要があります。以下の点などは特に最近重要になってきている事項になりますので、ライティングの際は留意しておく必要があるでしょう。
リッチコンテンツの活用
ただの文字だけではなく、写真や動画、図表なども使って記事を豊かにすることです。これらを上手に組み合わせることで、読者が興味を持ちやすくなり、記事を最後まで読んでくれることが増えます。また、多様な内容は読者を飽きさせないため、記事に長く留まってもらえる可能性も高まります。
スニペット最適化
Googleでよく見る「質問とその答え」の形をした特別な表示エリア(フィーチャードスニペット)を狙って、記事を工夫すると、より多くの人の目に止まるチャンスが増えます。たとえば、よくある質問に答える形で記事を書いたり、リストや表を使って情報を整理したりすると、Googleに選ばれやすくなります。
モバイルファーストの最適化
今や多くの人がスマートフォンでインターネットを見るため、スマホで見ても記事が読みやすいようにすることが大切です。文字の大きさや画像の配置、ページの速さなど、スマホで見たときに快適に情報を得られるように調整することを意味します。これを行うことで、どんなデバイスからアクセスしてもユーザーに良い体験を提供できます。
まとめ
・Webライティング・SNSライティングは通常の文章を書くスキルに加えて、Web独特の「書くためのコツ」があります。
・Webライティングをするときは、まずは見出しから作って、文章の骨子を作ることが大切です。
・Webライティングの構成法としては、SDS法、PREP法の2種類がありますが、どちらも冒頭で結論を記述します。
・SNSライティングでは「共感」という要素が非常に重要です。
・「共感」を得ることができるライティングのポイントは、読み手との「共通性」や「オリジナリティ」を意識すること、「一人の人をイメージ」して書くことなどが挙げられます。