前回の記事で「コンテンツSEOとは何か」ということについて書きましたが、今回のテーマはコンテンツSEOにおけるキーワードの選定です。
コンテンツSEOではキーワード設定も検索ユーザーファーストで考えていく必要があります。
この記事では、コンテンツSEOを行っていくにあたって対策キーワード選定における必要な視点について
2回にわけて説明していきたいと思います。
SEOキーワード選定のポイント
SEOキーワードには主に3種類あります。ビッグキーワード、ミドルキーワードとロングテールキーワード(スモールキーワード)です。違いはユーザーの検索数の差にあります。ビッグキーワードは月間平均検索数が1万回以上、ミドルキーワードは月間平均検索数が1000回以上、ロングテールキーワードは月間平均検索数が1000回未満のものを指します。
「検索数が多ければ多いほどホームページを見てくれる人が増えるはず。だからビッグキーワードでSEO対策しよう。」
まだそれほどSEO対策に慣れていない方はそう考えるかもしれませんが、実際はそうとは言えません。どうしてなのか理由を見ていきましょう。
ビッグキーワードは現実的ではない
例えば「不動産」「賃貸」などの言葉は月間平均検索数が1万回以上をゆうに超えるビッグワードです。「不動産」「賃貸」の2語で上位表示できたら毎月膨大な数のユーザーが貴社のホームページを訪れるでしょう。
しかし、こちらの2つの言葉では実際にどんなホームページが検索上位に表示されているのでしょうか。
当然、大手不動産ポータルサイトです。
大手不動産ポータルサイトはSEO対策のために数十人体制でチームを組んでいることも珍しくありません。予算も大きく割いています。ビックキーワード上位表示をするということはそういう企業にSEOで勝たねばならないと言うことです。それは全く現実的ではありません。
ミドルキーワードとロングテールキーワードを狙う
ミドルキーワードとロングテールキーワード(スモールキーワード)は前述の通り検索数の少ないSEOキーワードです。検索数の少ないキーワードでSEO対策をしても意味がないのではないかと感じるかもしれませんが、実際はそんなことはありません。
理由は2つあります。
一つ目ですが、ミドルキーワードとロングテールキーワード(スモールキーワード)は言葉が限定的に絞り込まれている分、ユーザーのニーズがはっきりしているケースが多いということです。
例えばビッグキーワードの「不動産」ですが、このワードで検索されたとしても検索ユーザーの意図はほとんどわかりません。
不動産賃貸を探しているのでしょうか。不動産投資をしたいのでしょうか。それとも不動産会社に就職したいのかもしれません。このビッグキーワード一語ではユーザーがどのようなコンテンツを求めているのかがわからないのです。
一方、「不動産 賃貸 杉並区」というキーワードで調べられていたらどうでしょうか。求めているコンテンツはかなり限定されてきます。
杉並区にある最新の賃貸物件を部屋の様子、初期費用や家賃がわかるように見せてあげればいいのです。ミドルキーワードとロングテールキーワード(スモールキーワード)では提供すべきコンテンツがはっきりしている分、コンテンツ内容を濃くする必要のあるコンテンツSEOに向いている種類のキーワードなのです。
もう一つ目の理由ですが、ミドルキーワードとロングテールキーワード(スモールキーワード)は比較的容易に検索上位にあげることができるというところです。
各ページのコンテンツにピンポイントで当てはまるキーワードで対策すればトップ表示も難しくありません。そして、そのピンポイントのニーズに当てはまる人には一番はじめに目のつくのが貴社の情報ということになります。
コンテンツSEOは常にコンテンツを追加していくSEO対策なので、そのコンテンツページごとに対策キーワードを変えていくということができます。
検索数の少ないキーワードは単体では大したインパクトをもちませんが、一位表示されているキーワード数が多くなればグロスの検索数も膨大になります。
小さいけど確実にあるニーズを拾っていく、それを大型恐竜の体の細いけど長い部位であるしっぽに例えて命名したのが、ロングテール(長い尻尾の)キーワードということになります。
ロングテールの対策からビッグキーワードへ
話はこれで終わりではありません。ロングテールで対策をし続けると長期的にはどういうことが起きるかもコンテンツSEOの重要なポイントです。
小さなキーワードで検索上位に表示されるような内容の濃いコンテンツを提供し続けるとGoogleからの信頼性が日々高まっていきます。それを長い期間、繰り返すことでホームページそのものの信頼感が上がっていくのです。専門的な言葉で言うと貴社のホームページはドメインパワーを獲得していくことになるのです。
「不動産 賃貸」「不動産 売買」「不動産 相続」「不動産 投資」「不動産賃貸 オーナーの悩み」などのコンテンツをそれぞれ投稿していて、Googleからの信頼を得てドメインパワーを強化できたとしたら、最終的には共通のキーワードである「不動産」という言葉でも順位が上がっていくことができます。上位表示は無理だと言っていたビッグキーワードです。長期的に考えるとそういうこともありえるのです。
もちろん大手不動産ポータルサイトの対策チームはぬかりがないため、そこも踏まえたSEO対策を行っているので、やはり容易に勝ち目はないでしょう。しかし、地道にコンテンツを追加する対策を行っていけば、あとからSEO対策に参入してきた同業他社に対しては圧倒的なアドバンテージを築くことができるのです。
2011年よりも以前ですと後発企業でもお金をかけて大量に被リンクを購入すれば、先発のホームページをSEOで短期的に追い抜くことが簡単にできました。でも今はそういうことは難しくなっています。コンテンツを充実させるという努力は報われる。それがコンテンツSEOの良い点だと言えます。
このページで、コンテンツSEOではミドルキーワードとロングテールキーワード(スモールキーワード)で対策するのが定石だということはわかっていただけたかと思います。
次は、どのように具体的なミドルキーワードとロングテールキーワード(スモールキーワード)を選んでいくかという点について説明したいと思います。
まとめ
・コンテンツSEOでは、ミドルキーワードとロングテールキーワード(スモールキーワード)をテーマに設定してコンテンツを追加していくことが基本です。
・ミドルキーワードとロングテールキーワード(スモールキーワード)は言葉が限定的に絞り込まれている分ユーザーのニーズがはっきりしているケースが多く、成約につながりやすいとされています。
・ミドルキーワードとロングテールキーワード(スモールキーワード)は比較的容易に検索上位にあげることができるため検索ユーザーにリーチしやすいというメリットもあります。
・ロングテールキーワード(スモールキーワード)で対策をおこなっていくうちに共通するビッグキーワード(例:「不動産 賃貸」「不動産 投資」だとしたら「不動産」の部分)でもSEO効果が発生してくる場合もあります。