不動産業界では2018年頃からチャットボットを導入する企業が増えてきましたが、まだ「チャットボットをどう使えばいいか分からない…」という方も多いようです。そこで今回は不動産会社がチャットボットを導入するメリットや活用術をご紹介します。ぜひ最後までご一読ください。
チャットボットでできること
チャットボットは不動産業界と非常に相性が良く、さまざまな業務をサポートしてくれます。そもそもチャットボットとは「対話(chat)」と「ロボット(robot)」を組み合わせて出来た言葉で、メッセージツールを介してお客様のメッセージに自動的に反応し、対話をおこないます。チャットボットには対話の中で言葉などを学習していくものと、あらかじめ設定された言葉に対して適切な返答をするものがあり、多くの企業ではホームページの問い合わせ窓口としてチャットボットを設置しています。
例えば、サイト上でのお部屋探し、水漏れなど既存物件の受付連絡、来店予約など、窓口サポート役としてチャットボットが活用されています。
チャットボットを導入するメリット
それでは次にチャットボットを導入することで、どのようなメリットがあるかをご紹介します。
不動産会社側のメリット
一部の業務を自動化できる(業務効率が上がる)
初期段階の問い合わせをチャットボットに任せることで問い合わせ内容を選別する等のフロントスタッフの業務サポートが自動化できます。問い合わせが来るたびに社員がその対応で通常業務が止まる状態では集中して業務を継続できないため、生産性も低くなってしまいます。「働き方改革」が促されるなか、社員の離職を防ぐには業務の効率化や負担の軽減が急務となり、チャットボットがその助けになると考えられています。
24時間365日対応可能
自動でお客様の問い合わせに対応できるチャットボットを導入すれば、夜間の問い合わせ対応はもちろんのこと、24時間365日お客様の問い合わせに応対することができます。お部屋探しの問い合わせから、入居中の方は「鍵が開かない」など今すぐ対応してもらわないと困ることもチャットボットを通して対応方法をお伝えすることでお客様自身で解決してもらうことが可能になります。営業時間外や夜間の問い合わせにもチャットボットで対応ができれば、顧客満足度の向上も期待できますよ。
問い合わせが増える
業務上でなくても日常的に「特に電話やメールで問い合わせする内容じゃないな…」と連絡に気が引けてしまうことがよくあるかと思います。ですが、チャットボットなら相手がロボットなので気軽に質問可能なため、お客様もちょっとしたことでも問い合わせをしてくれるようになります。特に賃貸や売買の営業においては問い合わせがないと始まらないため、問い合わせが増えることが単純に会社の利益に繋がるのではないでしょうか。
お客様側のメリット
大量の不動産情報にアクセスできる
お客様が物件情報を得る際に、不動産会社の担当者が対応すると時間と労力がかかるため提供できる情報にどうしても限界がありますが、チャットボットであれば大量の情報に即時にアクセスし、スムーズに目的の情報に辿りつけるため、お客様はより多くの情報を素早く得る事ができます。また、不動産会社の担当者が対応する場合でも、タブレット端末でチャットボットを活用すれば対応のスピードを高めることもできます。こうすることでお客様はより多くの選択肢の中から物件を選ぶことが可能となり、利便性や満足度が向上します。
機械相手だからこその安心感
お客様が営業担当者に対して「押しが強かったら苦手」「断り難い」といった印象を持っているケースもあります。チャットボットであれば、直接的なコミュニケーションが不要で心理的なプレッシャーを感じることもありません。そのため、不動産業界において「落ち着いてじっくり物件を探したい」「営業が苦手」といったお客様は、チャットボットでのコミュニケーションを好む方が増えてきました。お客様の自由意思を尊重して心理的障壁を無すことができるのは、お客様と物件の接触回数が重要となる不動産業界において大きなメリットと言えるでしょう。
いつでも問い合わせできる
チャットボットは24時間365日対応できるため、お客様の空いた時間で問い合わせできることがメリットです。日中仕事をしている方にとっては、なかなか営業時間内に時間を作るのが難しいケースも多いので、それぞれの生活のペースを乱さず気軽に問い合わせできるのは最大のメリットだと思います。
チャットボットの注意点
チャットボットは非常に便利なツールですが、事前準備ができていない状態で導入すると失敗する可能性が非常に高いです。チャットボットの特徴を活かさないと導入する意味がないので、導入する際は以下2点に注意して事前準備を必ずしましょう。
チャットボットの対応可能な範囲(仕事)を把握しましょう
チャットボットは問い合わせへの自動回答がメインの機能です。しかし、万能ではないため問い合わせ全てに対応することはできません。チャットボットが対応可能な問い合わせ範囲は「よくある問い合わせ」や「FAQページ」に掲載しているような内容です。そのため、仮にチャットボットに任せたい問い合わせ対応が詳細なヒアリングを必要とする種類の場合は、そもそもチャットボットで対応できない範囲となるため注意しましょう。
チャットボットを最大限に生かすには企業側のオリジナルテンプレートが必須です
チャットボットが自動回答するには、事前に「質問と回答」を用意しておく必要があります。ツールによっては質問と回答のテンプレートが用意されているものもありますが、あくまでテンプレートなので、そのまま使えるとは考えないほうが良いでしょう。チャットボットに回答させたい内容は企業によって異なるため、それぞれの企業で「質問と回答」を制作する作業が発生します。この準備をしないと見当違いの回答しかできない、いわゆる使えないチャットボットが出来上がってしまうので注意しましょう。
まとめ
企業ごとにチャットボットの使い方は多岐に渡りますが、効果的に使用すれば見込み顧客の獲得やブランド認知に役立てることができます。チャットボット使用方法のアイデア次第で、日々の業務や自社が抱えている課題を解決できるかもしれません。労働力人口が減りつつある現在、まずは一部のサポート対応や物件検索などをチャットボットに任せてみてはいかがでしょうか。