リスティング広告は自社でも運用が可能な広告です。しかし、効率よく成果を出すにはそれなりの知識と経験が求められます。本業に集中しながら、ビジネスにスピード感をもって広告展開をしていきたいなら、リスティング広告は自社運用せず、代理店に任せるのが良いでしょう。
リスティング広告の代理店を名乗る企業は、数人でやっている小さな会社から、中規模企業、名だたる大手広告代理店まで多岐にわたります。そのため、いざ依頼先を探すとなった場合、どの代理店を選んだらいいのかで迷う担当者も少なくありません。
リスティング広告の代理店はどのような基準で選んだら良いのでしょうか。今回はリスティング広告の代理店の選び方についてお伝えしていきたいと思います。
※なお、リスティング広告自体についてあまりご存知ないという方は以下のページをご参照ください。
リスティング広告を代理店に依頼する場合の料金形態
リスティング広告の代理店の選び方を考えるにあたって、まず知りたいのは料金の違いではないでしょうか。
リスティング広告の運用代行料金にはいくつかポイントがあります。
手数料はいくらか、最低出稿金額はあるのか、初期費用はあるのか、契約期間はどれくらいかなどです。
一つ一つ見ていきましょう。
リスティング広告の運用手数料
リスティング広告の運用手数料の形式は企業ごとに様々で、主に以下のようなパターンがあります。
◼︎固定金額制・・・広告費が幾らかに関わらず一定金額の手数料が発生するケース。数万円〜20万円程度の幅で設定している代理店が大半です。当然、金額によってサービス内容が異なります。
◼︎料率制・・・広告の運用金額に対して何%という形で一定の割合で料金が発生するケースです。
◼︎テーブル制・・・運用金額によって、手数料の割合が変化するケースです。例えば運用費が100万円だったら手数料20%。500万円だったら手数料10%など。金額が上がるごとに手数料割合が下がるような形です。
◼︎成果報酬制・・・コンバージョン単価やコンバージョン数の達成によって初めて料金が発生するケースです。
最も一般的な料金設定は料率制で、運用料金に対して20%程度に設定しているケースが多くなっています。しかし、広告費が数万円〜数十万円程度と少ない場合には、料率制では代理店の人件費に対して採算が合わないため、固定料金制を採用するケースが大半です。
また、広告費が数百万円〜数千万円と大規模になった場合には、固定金額制かテーブル制が採用されるケースが多くなっています。
料金は代理店や運用金額によって大幅に異なってくるため、どの形は自社の運用にふさわしいか考えながら見定めながら検討するのが良いでしょう。
最低出稿金額
リスティング広告は自社で運用した場合、1円から運用することが可能です。しかし、代理店として運用代行する場合、あまりに金額が少ないと人件費が手数料を上回り赤字になってしまいます。そのため、運用代行における出稿金額の最低ラインを定めているケースが多くなっています。または、料率制を採用しつつも、例えば20万円までは固定金額で運用費を設定するケースもあります。
初期費用
リスティング広告の運用には、運用方針の決定、アカウント設定や広告作成、入稿作業など、最初の段階で多くの労力が必要です。これらの労力も含めて運用の料金設定をしているケースもありますが、月額の手数料を安く設定している代理店だと、初期費用として別料金を設定しているケースも多々あります。月額費用の低さにひかれて、依頼してみたら初期費用が高かったというケースもありますので、注意が必要です。
契約期間
初期設定に労力をかけたにも関わらず、短期間で運用が終了してしまうということがあると、やはり代理店としては採算が合わなくなります。一方、リスティング広告は運用をしながら検証、改善をしていくというプロセスが必要になる広告であるため、成果をあげるまでに最低限のリードタイムが必要となってきます。
そのため運用代行するにあたって、あらかじめ最低限の契約期間を設けているケースがあります。
リスティング広告代理店の選び方のポイント
料金面では前述のようなパターンや制約がありますが、それ以外の点でリスティング広告の代理店の選び方のポイントはどんなものがあるのでしょうか。いくつか見ていきましょう。
リスティング広告のアカウントを開示するかどうか
リスティング広告を運用していく上でクライアントにアカウントを開示しない代理店も多く存在します。運用のノウハウの流出を防ぐためという理由のほか、運用の途中でクライアント側の専門性のない意見が介入することで成果が下がるのを防止する目的などもあり、開示しないことにも一定の合理性があります。しかし、ある程度自社運用の経験もあり、どのような運用がおこなれているのかを知っておきたいという場合は、開示してくれる代理店、なんらかの運用状況の共有がある代理店を選ぶのが良いでしょう。
日々のレポートや報告はどのように行われるか
運用そのものは代理店にお任せするとしても、日々の情報共有は、その後のビジネスの舵取りにおいて重要な意味を持ちます。運用費が安い代理店の場合、工数を減らしたいと考えることが多いため、運用のレポートや報告が最小限に抑えられているケースも多々あります。
しっかりと広告運用やその先のビジネスチャンスを見定めてきたいというならば、目先の運用費の安さだけでなく、代理店のフォロー体制もよく確認しておく必要があります。
Yahoo!やGoogleの認定代理店か
Yahoo!やGoogleから正規代理店として認定を受けていると、最新の限定情報を知ることができたり、β版機能が先に使用できたりなど、独自のメリットを享受できます。認定代理店であれば最新情報をもとにした提案をしてくれる可能性があります。
リスティング広告以外にも付随して提供できるサービスがあるか
リスティング広告の運用は、テキストのみの検索連動型広告だけではなく、ディスプレイ広告の運用も含まれるため、バナー画像のデザインが必要になります。さらに、当然ながら広告をクリックした先のランディングページ(LP)も欠かせません。リスティング広告だけでなく、それらクリエイティブの制作も同時にまかなってくれる代理店かどうかというところも代理店選択のポイントです。
さらに、広告媒体自体も、Yahoo!やGoogleのリスティング広告だけではなく、LINEやFacebookといったSNS系の広告という選択肢がありますが、それらも幅広く運用に組み込めるかどうかも代理店選びのポイントになってきます。
同業種での実績があるか
リスティング広告の運用の方法論は、対象とする商材や業界によって大きく異なってきます。そのため運用実績の豊富な代理店であっても、自社と同じ業種、業界を運用したことがあるかどうかで運用成果に大きな差が出てくることが考えられます。
依頼する前に同業の運用実績があるかどうかは確認するようにしましょう。
運用担当者は経験が豊富か
リスティング広告の運用は、担当者個人の能力に依存しているところがあり、どの会社に依頼するか以上に、誰に担当してもらうかが重要になってきます。たとえ大企業に依頼したとしても担当が経験の浅い新人になってしまったら、期待するほどの成果は挙げられないこともあります。中小クラスの代理店のトップ運用者に担当してもらう方が満足のいく結果が得られる可能性は充分にあります。運用担当者が誰になるのか、経験がどれくらいあるのか、実際、担当とコミュニュケーションが取れるのかなど、担当者対応のチェックは必ずしておいた方が良いでしょう。
まとめ
リスティング広告運用の代理店は、料金が安いから良い、高いから良いということでもなく、大企業だから良い、中小企業だから良くないということでもありません。
運用する商材、業種は何か、捻出できる広告予算の規模はどれくらいか、どこまで代理店にまかせたいかなどによって、総合的に考えていく必要があります。
自社の状況を分析し、それに最も合った形態でサービス提供してくれる代理店をしっかりと選ぶようにしていきましょう。