自社サイトをビジネスに役立てようと思ったとき、避けて通れないのが、SEO対策とリスティング広告運用だというのは間違いないかと思います。これら二つは、自社内のみで取り組んでいくことも可能ですか、非常に人員リソースを割かれてしまうというところが悩みどころです。経験のない担当者であれば長期的な学習と実践が必要で、本業が疎かになってしまうというリスクもあります。
そんな負担のかかる自社内対応の代わりに、運用代行業に依頼するという方法をとる企業も少なくありません。今回は、リスティング広告運用の代行依頼について参考になる情報をお届けしたいと思います。
※なお、リスティング広告自体についてあまりご存知ないという方は以下のページをご参照ください。
リスティング広告の運用代行を使うメリット
具体的にリスティング広告の運用代行を使うと享受できるメリットとはどんなところでしょうか。一つ一つ見ていきましょう。
リスティング広告の初期設定にも対応
リスティング広告を始めようと思うと、初期設定をするだけでもそれなりの手間や労力が発生します。以下が、リスティング広告の初期設定に必要な作業の一覧です。
- アカウントの開設
- 戦略作成(何のために広告を出すのか、何を目標とするのか、KGI・KPIの策定)
- アカウント構成の作成
- 入稿作業
- 入札作業
これらのことには全て一貫性を持たせる必要があり、未経験の担当が始めようと思うと最初は理解が難しく、非常に労力がかかります。一方、慣れている運用代行からすれば、俯瞰的に方向性を定めて対応ができます。初期設定の段階から大きな差が出るのがリスティング運用です。
認定代理店限定のベータ版機能が使える
運用代行を使う大きなメリット、それはGoogle や Yahoo! の認定代理店限定の特別機能も利用できるという点です。
GoogleではGoogle Partner 、Yahoo! では認定パートナーと呼ばれる広告代理店としての特別認定制度があります。専門性の高さを認められた広告代理店として厳正な審査を経て初めて得られるパートナー制度で、認定されることで、ベータ版機能の使用や、限定イベントへの参加が許可される特典を享受できます。
なお、認定代理店に認定されると、以下の認定バッジやロゴを掲載することができます。
Googleパートナーについて
Yahoo!セールスパートナー/認定パートナーについて
運用代行の蓄積されたノウハウを享受できる
リスティング広告で初めから効果的な運用をできることはほぼありません。運用しながら、仮説検証を行い、少しずつ正解に近い運用方法を見つけていく必要があります。それまでの運用知識の蓄積が全くない場合だと、その労力は非常に大きいものになります。
一方、リスティング広告の運用代行に依頼すれば、それまでの運用代行の実績からくる運用ノウハウを参照し、最短距離で効率的な運用ができます。成果にスピード感を求められる事業では運用代行を利用して、できるだけ早い段階でリスティング広告運用の形を定めていくのが良いでしょう。
最新情報のアップデートを常にしてくれる
リスティングの知識を得ようとする場合、当記事も含めweb上には参考になる情報が溢れていますが、どうしても情報にタイムラグが生まれてきます。運用を常に行なっている代行会社なら最新の運用ノウハウが蓄積されているため、自社で情報を集めるよりもはるかに有用な情報が得れます。特に認定代理店であれば、Yahoo!やGoogleから最新の情報が送られてくるため、その状況を踏まえての提案が可能です。
バナー、LP、自社サイトの改善点を提案してもらえる
リスティング広告の運用が依頼内容だとしても、クライアントサイドとして最終的に実現したいことは売上や利益の向上のはずです。契約の継続をしてもらいたいと考える運用代行会社ならば、運用そのものではなく、もっと先の広告成果に注力するのが通常です。
運用バナーの改善はもちろんのこと、飛び先のランディングページ(LP)や自社サイトの最適化の提言もあるはずです。自社運用では目が届きにくいところまで、ケアしてもらえるのが、運用代行に依頼するプラス点でもあります。
リスティング広告の運用代行の価格相場・依頼条件
実際にリスティング広告の運用代行にお願いしようと思ったら、どれくらいの費用感、条件で依頼できるのでしょうか。その点を確認していきましょう。
リスティング広告の運用代行の価格相場
運用代行をするからには、当然、運用手数料が発生します。どれくらいの金額感なのでしょうか。
一般的なリスティング広告の運用代行手数料の相場は「広告費の20%」と言われています。
具体的に数字で見ていきましょう。
例えば、50万円の運用をするとしたら
50万円×20%=10万円
が手数料です。
広告費50万円+運用手数料10万円=60万円
が必要な経費となります。
ただし手数料20%はどのような運用費用にも適用されるわけではありません。
例えば、運用費用、月5万円で考えていますという企業があった場合、その20%といったら月に1万円ということになります。それですと、担当者の1日分の人件費もまかなえないはずです。さすがにそれでは運用代行として成立しません。
そのため、ほとんどの運用代行企業は、「広告費○万円以下は手数料、一律○円」という最低手数料を定めています。
例えば、運用代行の最低手数料が5万円のケースだと
運用広告費25万円×20%=5万円
この運用広告費25万円が下限となり、あとは10万円、5万円、1万円の運用であっても一律で手数料5万円ということになります。
リスティング広告の運用代行の初期費用
リスティング広告を始めるにあたって、上記の通り、「アカウントの開設」「 戦略作成(何のために広告を出すのか、何を目標とするのか、KGI・KPIの策定)」「アカウント構成の作成」「入稿作業」「入札作業」など、最初の段階で煩雑な作業が発生してきます。そのため、運用にあたって初期費用を設定する運用代行企業もあります。一方、初期作業の労力も踏まえて運用料金を設定し、初期費用は取らないという代行業もあります。どちらが良いかは比較して検討すると良いでしょう。
リスティング広告の運用代行の契約期間
リスティング広告の運用代行の契約期間としては、1ヶ月〜半年くらいの幅で各社によって異なります。リスティング広告はキーワードや商材によって1ヶ月でも成果が出る場合もあれば、じっくり数ヶ月試さないと成果が出ないというパターンもあります。
・とりあえずお試しとして1ヶ月
・PDCAを一回しっかり回してみてほしいから3ヶ月
・しっかりコミットして結果を出すための運用をしたいから6ヶ月
など、契約期間の考え方はさまざまです。
どの程度の期間に設定しているかで運用代行会社の顧客へのスタンスも見えてきますので、契約期間は運用代行選びの重要な検討要素だと言えます。
リスティング広告の運用代行における報告やコミュニケーション
実際にリスティング広告の運用代行を依頼していたとしても、当然、両手離しの対応で良いわけではありません。しっかり運用されているのか、常にチェックできる体制を構築する必要があります。
月一の定例会のみの報告という運用代行もあれば、都度都度、状況を確認できる体制を組んでいる運用代行もあります。各社によって対応の姿勢はかなり異なるため、その点も契約前に確認をしていくと良いでしょう。
リスティング広告の自社運用をしたときのメリット
ここまで運用代行に関してお伝えしてきましたが、それでも自社で運用体制を構築したいというお考えの方もいらっしゃるかと思います。そして、そういう選択もありだと思います。ここの項目では、運用代行を使わず、自社運用をしたときのメリットについても整理したいと思います。
安い運用金額からスタートできる
リスティング広告は本来1円から運用が可能です。しかし、運用代行を使う場合は手数料の制限や利用料金の下限設定があるため、まとまった運用費が必要となります。あまり予算が取れず、時間がかかっても小額で試しながらリスティング広告を始めたい場合などは自社運用が向いていると言えます。
リスティング広告の運用ノウハウが社内に蓄積できる
運用代行に依頼すれば、効率的な運用を初めからしてくれますが、自社内にはノウハウは蓄積されることはなく、長期的には運用代行に依存をしてしまいます。
仮にのちのち運用代行を使う場合であっても、自社内にノウハウを持っていれば、業者選びの基準も明確になり、円滑なコミュニケーションの中で施策決定をしていくことができます。
スピード感のある運用が可能になる
リスティング広告は広告の稼働や停止、文面の変更など、即時での方向転換が可能で、それが他の広告にはない特徴の一つでもあります。しかし、運用代行に依頼している場合は、担当者の対応までに少なからずタイムラグが発生してしまい、その利点が生かしきれません。ECサイトでの商品の在庫切れ、期間限定セールの急遽開催などで、小回りの利いた変更をしたい場合は、自社運用が向いていると言えます。
まとめ
リスティング広告の運用代行を利用する際には、メリットだけでなくデメリットも発生します。とりあえず外注、または内製化という考えではなく、自社の状況を鑑み、よりふさわしい運用方法を話し合い、その選択肢の一つとして運用代行への依頼も検討するというのが正しいスタンスだと言えるでしょう。